色で遊ぶワークショップ
konstでは、年に数回、週末に、子ども、高齢者、障がいのある方々が一緒にごちゃ混ぜになって、アートやデザインを創作するワークショップを開催しています。
今回の「色で遊ぶワークショップ」には、未就学児、小学生、障がいのある方、高齢者など24名が参加し、創作をしました。
世代も、障がいの有無も異なる人たちが混ざり、一緒に創作する場は、いつものワークショップとは少し違う雰囲気です。年齢も、得意なことも、手の動かし方も違う一人ひとりが、同じテーブルを囲みます。だからこそ、誰もが楽しめるけれど、誰も答えがわからない、正解のないワークショップを心がけています。誰かが先に答えを知っていると、その場はすぐに「教える人」と「教わる人」に分かれてしまいます。全員がわからないところから始めれば、子どもも大人も、同じ場所に立って手を動かすことができます。
色のない世界の色
今回のテーマは色。色だけれど、色のない世界の色をつくることにしました。よくわかりませんね。もし、この世界に色がなくて、真っ白な世界だったら、という設定です。
用意したのは、白い絵の具、白い粘土、白い糸に白い石、石膏、白い紙。使える色は白だけですが、素材が変われば表情も変わります。とろりと垂れる絵の具、指の跡が残る粘土、くしゃっと丸めた紙、つやのある小さな粒。同じ白でも、光の受け方や影の落ち方は、ひとつひとつ違います。
始める前に、それぞれ表現したい色を決めてもらいます。赤色と決めた人は、赤色を白の素材だけでつくります。黄色と決めた人も同じように、黄色を白の素材だけでつくります。
今、ここにない、見えない色のイメージを、白だけを使って、色を使わないで表現する。
赤と聞いて思い浮かべるのは、りんごかもしれないし、夕焼けかもしれないし、熱さや元気な気持ちかもしれません。色は目に見えるものであると同時に、記憶や気分とも結びついています。白い素材しか使えないとき、その色を表すために頼れるのは、一人ひとりの中にある色のイメージです。
恐る恐る、そして大胆に
最初は少しだけ戸惑いが。まずは恐る恐る。そして少しずつ大胆に。
絵の具をそっと置いていた手が、やがて上から垂らし始めます。粘土をのばして画面にのせ、糸を丸めて貼りつけ、白い石や粒を散らしていく。素材を重ねるほど画面には凹凸が生まれ、白の中に濃淡やリズムが見えてきます。
何色をつくっているのかは、見ただけではわかりません。けれど、つくっている本人の中では、きっとその色が見えている。手の動きや素材の選び方に、その人だけの「赤」や「黄色」が少しずつにじみ出ているように感じました。
色とりどりの真っ白な作品群ができました。
並んだ作品は、どれも白いのに、ひとつとして同じ白はありません。見る人は、そこにどんな色が込められているのかを想像するしかありません。わからないまま、想像しながら作品と向き合う時間もまた、このワークショップの楽しさの一部だと思います。これからも、誰も答えを知らない場所から、一緒に創作を始めていきたいと思います。